本投稿では前投稿で挙げた大学、とりわけカリフォルニア大学4校に編入する為のカレッジ選定を中心に行う。
また、4年制大学編入のためにカレッジ在籍時に編入時の合格率を上げるためにやっておいたほうが良い事を紹介する。
編入の際必要になる事
TOEFLやエッセイ、推薦書等のいわゆる入学条件の他に編入の為にやらなければいけ無い事がある。
それは編入時に必要となる必修科目の履修である。
以前少し述べたが、アメリカの大学には州ごと、大学ごとに編入の為に決められた必修単位が存在する。
例えばカリフォルニア州であれば”IGETC (Intersegmental General Education Transfer Curriculum)”と呼ばれる編入希望学生のための一般教育カリキュラムが存在する。
日本私立大学協会によれば、IGETCは、基本的にはIGETCとして認定されている一般教育科目をコミュニティ・カレッジで履修した編入希望学生が、4年制大学に編入した際に、そのIGETC科目の単位互換が保証されるシステムである。
IGETC制度が導入される以前には、コミュニティカレッジから州立カリフォルニア大学への編入学生がコミュニティ・カレッジで履修した、一般教育科目の単位が編入後に認定されないという事態がしばしば起こっており、こうしたトラブルを避けるために導入されたのが、このIGETCである。
基本的にはこの一般教育科目(IGETC)プラス自身の希望する専攻の必修科目をコミカレ在学時に取得する事が必要となってくる。
その際、コミカレにて2年間の綿密な単位取得計画を策定し、その計画に基づいて単位取得を行うと非常にスムーズに編入が可能となる。
上記を踏まえると、編入に適したコミカレは自ずと同じ州内に位置している編入実績が多いコミカレが適していると考えられる。
編入実績が多い大学は成功事例を数多く知っているカウンセラーも多数在籍しているし、4年制大学に生徒を送り込む為のシステムも確立しているので、編入に有利に働く場合が多い。
カレッジの選定
やはり編入実績の多いコミカレは編入の為のノウハウや成功事例を数多く知っていることから信頼できるといってよい。
なので各大学ごとに編入実績の多いコミカレをリストアップし、Top10のリストを作成・比較する。
“California Post Secondary Education Commission”のデータを元に、2009/10年から過去3年の平均値を用いて編入実績の高い大学から順に10校を羅列し、また参考情報として、以下のような情報も交えながら示唆を出す事にする。
Student / Staff Ratio
大学職員1人あたりに対する生徒数である。 この値が小さいほど学生に対して細やかなケアができると考えられる。
編入率
コミカレの在学生に対する各大学に編入した学生数の割合である。 この数値が高いほど学生はその大学への進学を選択している。
アジア人比率
コミカレの在学生に占めるアジア人の割合である。 アジア人在学生が多いほどアジア人の編入生が多い事になり、編入する際の傾向と対策も整っている可能性がある。
留学生比率
・コミカレの在学生に占める留学生の割合である。 留学生が多いほど留学生の編入生が多い事になり、編入する際の傾向と対策も整っている可能性がある。
・特に、留学生の場合は、なぜ留学をしようと考えたか、なぜ世界各国の中でアメリカなのか、なぜアメリカの中でも~州なのかといったところを掘り下げて入学時にエッセイを作成する必要があるので、留学生の編入支援を多く手がけているコミカレはカウンセラーもこの辺りを熟知していると考えられるので有利に働くであろう。
カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)
UCSDへの編入学生数が最も多いカレッジはSan Diego Mesa Collegeであった。 編入学生数がダントツで多いのでUCSDを目指すならここだろう。
ただし、留学生比率が2位のDe Anza Collegeに比べてかなり小さいので留学生へのケア等が多少心配ではある。
カリフォルニア大学デイヴィス校(UCDavis)
Top5まで焦点を当てると、編入学生数にさほど差違はない。 Diablo Valley College, De Anza Collegeは留学生比率が多い。 逆に他のTop5のカレッジは留学生比率が1%以下なので、留学生とまったく関わらずに学生生活を送りたいという人には良いかもしれない。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)
UCSDと同様、編入学生数の差が1位と2位以下で顕著に表れている。 Santa Monica Collegeがダントツで編入学生数が多い。 留学生比率も非常に多いので、進学カウンセラーも留学生の成功事例を多数見てきているはず。
立地もUCLAに非常に近く、UCLAへの編入を目指す学生の多くはここに入学する。
カリフォルニア大学バークレー校(UCBerkeley)
UCSD, UCLA同様、1位のカレッジの編入学生数がダントツで多い。 1位のDiablo Valley Collegeは留学生比率も高く、留学生へのケアも心配ないだろう。 2位のCity College of San FranciscoはStudent / Staff Ratioが低いので、より細やかなケアを提供していると考えられる。
もし既に志望する大学が明確になっている場合は上記を参考にカレッジ選定を行えばよいが、例えばUCのどれかに入れれば良いというようなスタンスであれば少し選定方法が違ってくる。
上記は個別の大学ごとに編入生の数を順に並べて比較したが、UC(SD, Davis, LA, Berkeley)のいずれかに入学したいという場合、これらの大学全てへの編入実績が多い大学を選定すべきだろう。
下記の上の表は上記の編入実績Top10に入っているカレッジの中で複数の大学に学生を送り出しているカレッジ順に並べたものであり、値が4であればUCSD, UCDavis, UCLA, UCBerkeley全ての大学への編入実績がTop10に入っている事になり、値が1であれば編入実績Top10に入っているのが1つの大学のみという事になる。
下の表はUCSD, UCDavis, UCLA, UCBerkeleyへの合計編入生数順に並べた表である。
これらの表を見ると、De Anza CollegeはUCSD, UCDavis, UCLA, UCBerkeley全ての大学において編入実績がTop10以内に入っている。
以下、 Santa Monica College, Pasadena City College, Diablo Valley Collegeが続き、3つの大学において編入実績がTop10にランクインしている。
一方で編入生数を見るとSanta Monica Collegeがダントツで1位となっている。
内訳を見るとUCLAが圧倒的に多く、UCSDとUCBerkeleyも100人を超えている。
続いてDiablo Valley Collegeが2番目となっており、UCBerkeley, UCDavisへの編入生が多い。
De Anza Collegeは4校全てにおいて編入実績Top10にランクインしており、また4校にバランス良く編入生を送っているのでUCのどれかに編入したいといった場合はここが良いだろう。
次の投稿では、コミカレ在学時に、進学のためにできることを書いていきたい。
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