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  • 執筆者の写真Joe

超一流外資系企業P&Gで働く人の出身校~CEO人材となるポテンシャルを持つ人を採用~

更新日:2020年7月23日


大手外資系生活用品メーカーであるP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)は、「アリエール」「ボールド」「パンテーン」「ファブリーズ」「SK-II」「ジレット」「ブラウン」「パンパース」などよく知られた日用品を世に送り出している企業です。


会社名よりも商品のブランドのほうがよく知られているように、ブランド作り、マーケティングに非常に長けた会社です。


次々と消費者のニーズに合った商品を世に送り出すP&Gは、「Consumer is Boss (消費者こそが私たちのボス)」という理念を徹底し、市場調査を行い、マーケティング施策を実行しています。


P&Gのマーケティングは、「ブランドマネジメント」の考えに基づき、各マーケティング担当者が「ブランドの経営者」という立場で売上責任をもってマーケティングに取り組んでいます。


P&Gのアソシエートブランドディレクターの岡田氏は、「マーケティングの役割は、単に広告・販促・コミュニケーションの担当者ではなく、1人の経営者としてブランド全体を管理することです。したがって、我々マーケターに課せられるKPIは、『売上』『利益』『ユーザー数』『ブランドエクイティ』の4つです。」と語っているように、マーケティング担当者は、ブランドの責任者として大きな権限を持ち、業務を担っています。



また、P&Gは社内で人材を育成するのに長けた会社と言われており、例えばマーケティング担当者は、基本的には新卒採用かジュニアなポジションで採用し、社内で育てていくという方針です。


若い頃から海外のオフィスのメンバーと一緒に働き、チャレンジングな仕事が与えられ、自身の仕事が厳しく評価される一方で、働き方が自由というのでも有名で、フレックス勤務や在宅勤務などを積極的に取り入れており、ワークライフバランスにも力を入れています。


結果として、ジョブマーケット・プラットフォーム「OpenWork」による「働きがいのある企業ランキング2020」によると、P&Gは3位にランクインしています。 (ちなみに2位はグーグル、1位はセールスフォースです)



P&Gのような仕事もプライベートも充実した働き方ができる外資系のエクセレントカンパニーと呼ばれるような会社で働きたいという人は多いのではないでしょうか。

入社してからすぐにリーダーシップを発揮して海外のオフィスも巻き込みながら仕事ができる人達はどのような大学出身なのかは気になります。



本記事では、P&Gで働く人達の出身校と専攻をまとめました。(キャリア系ソーシャルネットワークサービスのLinkedInに登録している全世界の人を対象としています(2020年5月10日時点))


P&Gで働く人の出身校上位15(社員の全登録者数:96,576人) No. 出身校 人数 1 University of Cincinnati 1141 2 Tecnológico de Monterrey 578 3 Xavier University 503 4 Miami University 501 5 The Ohio State University 424 6 National University of Singapore 412 7 SGH Warsaw School of Economics 393 8 University of the Philippines 326 9 Nanyang Technological University 284 10 The American University in Cairo 225 11 Cairo University 204 12 Università Bocconi 201 13 Boğaziçi University 177 14 National Institute of Industrial Engineering 176 15 The London School of Economics and Political Science (LSE) 164


P&Gで働く人の出身校で最も多いのはUniversity of Cincinnati(シンシナティ大学)でした。



それもそのはずで、P&Gは、オハイオ州シンシナティ市に本社を置いていますので、本社の近くに位置するシンシナティ大学の出身者が多く働いています。


他にも、3位のXavier University(ザビエル大学)、4位のMiami University (マイアミ大学)、5位のThe Ohio State University(オハイオ州立大学)、はオハイオ州の大学です。


2番目には、Tecnológico de Monterrey (モンテレイ工科大学)というメキシコの最高学府と言われている大学となっています。 P&Gはメキシコにオフィスと6つの工場を有しており、工科大学出身のエンジニアなどが多く働いていると考えらます。


SGH Warsaw School of Economics(ワルシャワ経済大学)というポーランドの大学の出身者が7番目に多くなっています。

P&Gのポーランドオフィスは中央ヨーロッパの重要拠点 で、General officeという会社の戦略立案や意思決定を行う組織を置いていたり、European Planning Service Center (PSC)というヨーロッパでのサプライチェーン、生産、物流などを統括する組織やGlobal Business Services (GBS)というITやBusiness Intelligence (BI)のデザイン・実装を行うための組織を配置しています。また、ポーランドには3つの生産工場もあります。



次には、University of the Philippines(フィリピン大学)の出身者が多いようです。 フィリピン大学は、アメリカのフィリピン自治領政府によって1908年に設立された国立大学です。


P&Gのフィリピンオフィスは80年以上昔に創設され、世界で3番目に古いP&Gの支社であり、フィリピンでキャンドルやソープなどを製造していたPhilippine Manufacturing Company (PMC)(旧Manila Refining Company)という会社を海外展開の一環でP&Gが買収したのがフィリピン進出のきっかけです。



次にNanyang Technological University (南洋理工大学)というシンガポールの国立大学の出身者が多くなっていますが、P&Gのシンガポールオフィスはアジアパシフィック、中東、アフリカのヘッドクオーターで、SK-II、スキン&パーソナルケアビジネスのグローバルヘッドクオーターでもあります。

また、2014年にはP&G Singapore Innovation Center (SGIC)(P&Gシンガポールイノベーションセンター)という研究施設を開設するなど大きな投資を続けています。





続いて、P&Gで働く人の専攻を見てみましょう。


P&Gで働く人の専攻上位15(社員の全登録者数:96,576人) No. 専攻 人数 1 経営管理 5537 2 マーケティング 3352 3 化学工学 2745 4 機械工学 2642 5 経済学 2626 6 化学 1865 7 インダストリアル・エンジニアリング 1714 8 金融 1657 9 電子工学 1602 10 ビジネス/コマース 1414 11 国際事業 1201 12 Logistics, Materials, and Supply Chain Management 1181 13 数学 907 14 コンピューター・サイエンス 896 15 マーケティング/マーケティング管理 689


P&Gで働く人の専攻で最も多いのは経営管理でした。



次にマーケティングとなっています。経済学、ビジネス/コマースなど経済・ビジネス系の専攻が多いようです。


その他、グローバルで巨大なR&D人材を抱えていますので、化学工学、機械工学、化学などの工学系の専攻が多くなっています。



P&GのCEOであるDavid S. Taylor (デイビット・S・テイラー)氏は、デューク大学で電気工学を専攻しています。


大学卒業後にプロダクションマネジャーとしてP&Gに入社し、最初の10年間はサプライチェーン部門で生産やオペレーション管理などを経験します。


そして、その後、ブランドマネジメント部門に配属され、パンパースブランドを任せられます。その後も次々と北米、ヨーロッパ、アジアでベビーケア、ヘアケア、ホームケア製品のマネジメントを経験し、2015年にCEOとなります。


テイラー氏は、ダイバーシティを重視しており、「わが社の経営陣の女性比率が50%になったら世界はより良い場所になるでしょう。私達は製品の50%以上を女性に対して販売しています。」といった発言もしています。



P&GのCOO兼CFOであるJon R. Moeller (ジョン・R・メラー)氏は、アメリカの名門大学であるコーネル大学で生物学を専攻し、また同大学院でMBAを取得しています。

メラ―氏は、P&Gにコストアナリストとして入社し、会計、ファイナンス領域でキャリアを重ね、M&Aなども主導した経験があります。



グローバルヘルスケアビジネスの責任者であるSteven D. Bishop(スティーブン D. ビショップ)氏は、パデュー大学で農業経済を専攻しています。 Crest、Oral-B、Vicksなどのブランドを有するヘルスケアビジネスを統括する人物で、独メルク社の消費者ヘルス事業の買収などをリードした人物でもあります。



ビューティーカテゴリーの責任者であるR. Alexandra Keith (R・アレクサンドラ・キース)氏は、アリゾナ大学で化学工学を専攻しています。 大学卒業後にP&Gに入社し、製造や物流を経験し、マーケティング部門に異動となった後、ファブリックケアやパーソナルケア部門を経験しています。



ベビー&フェミニンケアの責任者であるFama Francisco(ファマ・フランシスコ)氏は、フィリピン大学で経営管理とマーケティングを専攻しています。 フランシスコ氏は、初めての女性のセールスマネジャーとしてフィリピンオフィスに入社し、ヘアケア、コスメ、ベビー&フェミニンケアなどのカテゴリーを経験し、事業を成長させています。





ここまで、地域を限定せずに世界全体で働いている人の出身校・専攻をみてきましたが、最後に、P&Gで働く人の出身校のうち、日本の出身大学で多い大学はどこかを見ていきましょう

P&Gで働く人の日本の出身校上位10 No. 出身校 人数 1 慶応大学 62 2 東京大学 52 3 京都大学 52 4 早稲田大学 37 5 神戸大学 33 6 大阪大学 28 7 東京工業大学 16 8 上智大学 14 9 同志社大学 13 10 国際基督教大学 12

P&Gで働く人の日本の出身校で最も多いのは慶応大学でした。



次に東京大学、京都大学、早稲田大学と続いています。

P&Gの日本の本社は神戸にありますので、神戸大学、大阪大学、同志社大学など関西圏の大学出身者も多いようです。


名門大学の出身者が多いP&Gは、ブランド責任者となるポテンシャルを持った人達を採用し、社内でリーダーとして育てていくという方針です。



P&Gで働き、リーダーシップを磨いてきた人たちは、P&Gを卒業して他社に転職してからも結果を出し続けている人達が多く、GE(ゼネラルエレクトリック)の会長、CEOであったジェフリー・イメルト氏、マイクロソフトのCEOを務めたスティーブ・バルマー氏、ボーイングの会長、社長兼CEOを務めたジェームズ・マックナーニ氏などの有名経営者もP&Gの卒業生です。


日本でも、日本コカ・コーラ副社長で綾鷹を成功させた和佐高志氏や元USJのCMOで、USJ再建の立役者となった森岡毅氏などP&Gを卒業して活躍されている方がおられます。


このようにP&Gは、若い頃からブランドの責任者を任せることで、ビジネスリーダーを生み出し、輩出し続ける会社です。

売上、その他KPI達成のプレッシャーもありますが、自由な働き方で社員の多様性を尊重する会社で働きやすい職場であることも魅力のひとつです。





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