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  • 執筆者の写真Joe

新しい働き方 ~何してるかわからないけど年収2000万~

更新日:2020年5月2日


 

 あなたの周りに「何をしてる人かよく分からないけど年収数千万」みたいな人いませんか?

 最近になってそのような人が増えてきたと感じますし、私の周りにもそんな人が何人もいます。私もたぶんその一人だと思います。

 そんな人達がどのように仕事をしているのか、順を追って説明したいと思います。




キャリアのこれまでとこれから

 これまで典型的とされてきた日本のキャリアは、新卒一括採用で、同期とほぼ横並びで年次で出世していき、定年退職するといった一つの会社の中で上に上がっていくようないわば「直線型」のキャリアでした。

 それに対して、諸外国では新卒一括採用は無く、部門採用、特にアメリカなどでは転職を繰り返して年収と職位をアップしていくのが当たり前です。国内でも外資系企業などで働く所謂外資系エリートは転職によってキャリアアップしていく「階段型」のキャリアをたどっています。

 これからの新しい働き方はどうかというと、複数の仕事を同時にやる「横断型」のキャリアと言えます。単に本業と副業という形ではなく、プロジェクトベースで色んな事をやるイメージです。


 これからの時代は、より社外のリソースを活用することが多くなっていきます。そのほうが経済的にも組織的にも合理的なのです。  典型的な例を挙げると、優秀な営業マンやエンジニアが管理職になった途端にパフォームしなくなり、そこで出世が止まってしまう。つまり、多くの組織では、従業員が組織の中で能力が十分に発揮できないポジションに留まり続けることになるため、非効率な組織となっているのです。


 社内でシステム開発を行うときにITコンサルやSIに頼んだり、或いは戦略立案をするときにコンサルティングファームに頼んだりすることは一般的になっていますが、これがより多くなり、ほぼすべての部門で、個人レベルで行われ、正社員雇用という概念もなくなっていきます。


 大企業の中には、無駄な仕事を自ら創り出して自分の居場所を守ろうとしている人達がたくさんいます。  ミッション、職務、KPIの定義されたポジション採用ではないとこれが起こりがちです。自分のミッションやKPIが明確に決まっていればそれを達成していれば文句は言われないのですが、明確な評価基準がないと「がんばってるかどうか」といった謎の基準で評価されることになり、長時間労働に繋がってしまいます。  なので、無駄な仕事を創り出し、長時間働き、企業もこれに対して残業代を払うといった構造になってしまうのです。

 或いは、「上司に気に入られているか」といった誰かの主観に基づいた評価というのも多くあるケースで、上司のごますりに精を出すといった非効率が生まれてしまいます。

 このような非効率に日本の企業も気づき始め、積極的に社外の人材を採用したり、社外の専門家を活用したりし始めています。

 日本の労働法上、一度正社員雇用すると解雇するのは難しいのでほとんど解雇されません。現状、正社員として雇用されれば、雇用は守られていますが、これもいつまで続くかわかりません。




今後キャリアは二極化

 今後のキャリアはエキスパートとジェネラリストがより明確に分かれていくでしょう。より高度な専門性を身に着けたスーパーエキスパートか、ビジネスを創り出し、改善することのできるスーパージェネラリストになる事が価値ある人材となるための鍵です。



スーパーエキスパート

特定の領域に特化した高度な専門家人材。有名大学でPhDを取得したAIエンジニア、ブロックチェーンエンジニア、サイバーセキュリティスペシャリスト、データサイエンティストなど



スーパージェネラリスト 技術・ビジネスに深い理解があり、エキスパートたちの力を組み合わせてビジネスを作れる人、或いは既存のビジネスの改善ができる人。ビジネスプロデューサーやカタリスト




掛け合わせで強くなれる


 リクルートの藤原和博さんが「100人に1人の希少性を3つ身に付ければ100万人に1人の人材になれる」と言っていますが、掛け合わせは重要です。


 エキスパートで言えば、例えば、プログラミングスキル×英語の掛け合わせは需要に対する供給が少なく、まだまだ貴重です。例えば英語ができれば、働く地域を変えて、例えばエンジニアの平均年収1300~1400万円のサンフランシスコで働いたり、給与の高い外資系企業の開発部門で働いたりできます。また、フリーランスになって週3日家で働いて月80万円といった事も可能です。そんな案件を2つくらいやれば年収2000万円くらいになりそうですね。


 ジェネラリストは、そもそも掛け合わせをたくさんする人がジェネラリストな訳ですが、ジェネラリスト的なスキル(戦略立案、プロジェクトマネジメント、事業立ち上げ等)と専門スキル(IT、会計、ファイナンス等)を掛け合わせることで強くなれます。


 ファイナンス×経営管理×英語といった掛け合わせは、コンサル、フィナンシャルアドバイザー、外資系の財務や経営企画など高収入な仕事に就けるチャンスがある半面、労働市場の人材の数に対してポジション自体の数が限られているので、例えば外資系企業の企画ポジションで誰かが辞めたらそのポジションを大勢で奪い合うような形になっています。

 なので、それよりはテクノロジーに精通していて戦略が描ける、プロジェクトを回せるといった掛け合わせのほうが今後は良いかもしれません。


 語学は他のスキルと掛け合わせがしやすいですが、語学同士の掛け合わせ、例えば英語×他の言語というのはビジネス上あまり強味になりません。翻訳とか言語スキルのみを活かした業務をやりたいのであれば別ですが。



新しい働き方


 既に実践している人が多くいるので、「新しい働き方」というには遅すぎるかもしれませんが、今後より一般的になっていく働き方は、前段での説明にあったスーパーエキスパート、或いはスーパージェネラリストとして、会社や職業にとらわれずにプロジェクトベースで働く事です。

 更に、これに加えて、「自分の好きなことを仕事にすること」も新しい働き方のポイントです。


 私の場合は、人材会社の立ち上げに携わったり、スタートアップメンバーとしてスタートアップでの事業立ち上げをしたり、外資系企業の日本法人立ち上げをやったり、アーティストをやったり、執筆活動をしたり…と様々な分野で活動をしています。


 私の周りには、外資系の企業で働きながらスタートアップ複数の顧問をやったりしてる人や、サラリーマンをやりながらスタートアップに関わったり音楽プロデューサーをやったりしてる人、外資系企業でエンジニアをやりながら技術コンサルをやったりしてる人、コンサルタントや執筆活動をやりながら写真家をやってる人といった人達がけっこういて、ここ最近でそういった働き方をする人が増えている印象です。


 環境的にも、個人で仕事をするためのプラットフォームが増えた事も大きいです。プラットフォームが普及して、フリーランスの環境が整ってきていることに加え、個人で発信したい事があればYoutubeなどで発信し、収益化するといったことが比較的簡単になってきましたので、このようなトレンドはさらに加速し続けるでしょう。



 その先に何が起こるかというと、会社名ではなく、個人名で仕事をすることが求められるようになります。「自分―(マイナス)会社」をしたときに自分に価値は残るのかというのを常に考えるのが必要で、自身の生き様がそのまま自身のキャリアに直結してきます。

 会社に在籍したという「職歴」は重要ではなくなり、自身の持っているスキルや何を成し遂げたかという功績、他人からの評価などが重要視されるようになるのではないでしょうか。




まとめ


・これからのキャリアは「横断型」 ・スキルの掛け合わせが重要 ・職業にとらわれないことが重要 ・プロジェクトベースで働く ・好きな事を仕事にする ・会社名ではなく、個人名で仕事をする


 ただし、この働き方には弱点があり、それは、時として人の2倍、3倍働くので肉体的にすごくつらいときがあります笑。 自分のやりたいことをやっているので精神的にはまったく辛くないですが







筆者


西垣和紀


高校を中退、仕事を転々としながら荒んだ生活を送るが、一念発起して留学


カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)、オックスフォード大学大学院MBA(経営管理学修士)修了


グローバルコンサルティングファームをなどを経て、外資系企業の取締役やアドバイザーとして働く傍ら、様々なメディアで記事の執筆等を行う


また、イギリスのインディーロックバンド「Rooftop Sundays」のベーシストとして音楽活動をしており、1万人規模のフェスへの出演やイギリスのトップアーティスト「ピクシー・ロット」などと共演を果たす



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