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インターンをしすぎてやりたいことが見えなくなった現役東大生のキャリア相談



現在、東京大学の文学部に在籍するIさんは、いろんなことを経験したいということで様々な業界の会社でインターンを経験し、自身の就活に役立てようとしていました。


しかし、いろいろと経験をした結果、自身が何をやりたいかがわからず、進路を迷っています。

そんなYさんの相談にEnabler Japanの西垣と西本が相談に乗りました。


【Iさん】こんにちは、東京大学に通っているIと申します。現在就職活動中で、大手通信会社、IT企業、金融、監査法人などいろんな会社でインターンをさせていただいて、とりあえずいろんな業界を見てみたいと思ってやっていたんですが、今自分の軸がなくて、夏が終わって本選考になっていくときに、自分がなにをやりたいのかわからなくなって、いろんな人とお会いしてロールモデルを探していきたいと思ってご相談させていただきました。


あと、専門職にも興味があって、ジョブ型の職種でUXデザイナーの職種も今選考を受けています。


専門的な職種でキャリアをスタートさせたいと思うのですが、正直何をやるべきかわからなくなっています。


【西本】ちなみに、ご自身で仕事に何を求めてるか、価値観みたいなものってあったりします?たとえば、仕事をバリバリやりたいのか、プライベートを重視したいとか、或いは大手企業に入りたいとかベンチャーがいいとか。


【Iさん】正直、プライベートは求めてません。大手志向でもなくて、一番は自分が夢中になれるかどうかだと思います。会社の中でみんなが見ている方向が一緒というか、その中で切磋琢磨できる雰囲気がいいなと漠然と考えてます。同期が200人いるような大手はちょっとどうかな、と考えています。


【西本】例えば、ベンチャーの話をすると、ベンチャーの良いところは自分で判断できる、自分の裁量で行動できるということです。

今後、あらゆる業務がAIに代替されていくと言われてますよね。そんな中で人間の価値は意思決定にあるんですね。

例えばサイバーエージェントは、若手に社内起業させる会社で、これは、良い経営者は「判断を何度繰り返してきたか」で決まるともいわれているので、若手に子会社作らせて社長にして自身で判断をさせるようにしています。つまり、意思決定できる人材を作ろうとしているんです。

ベンチャーはそういう重要な意思決定が若いころからできることだと思います。

一方、ベンチャーだと即戦力の人材をどうしても求めますから、新卒で入るとすると誰も教えてくれないので自身で学ぶことが必要ですし、「判断軸」が自身の中にないのでけっこう厳しいところもあります。自身の中に判断軸がないとすべてを鵜呑みにしてしまう恐れがあり、おかしいことがあっても「おかしい」と言えなくなります。

だいたい一社目に就職した企業で「判断軸」が形成されると思います。

例えば、私が最初に入った企業は、社員全員さん付け、フレックス出社でした。その後、ドイツの多国籍企業のシーメンスで仕事をしたりしていたのですが、けっこう自由でフラットな感じだったので違和感はありませんでした。今のスタートアップでも同様の働き方です。

ただし、これが昔ながらの日本企業で始業時間と就業時間が決まっていて、上司は課長、部長と役職で呼ぶような会社であれば違ってくると思います。一社目にそういう会社に入ったらそれが普通と感じるようになってしまうと思います。


【Iさん】西本さんは大手企業に最初に入って判断軸を形成されてからベンチャーに行ったので迷いが生じなかったということですかね


【西本】はい。逆にベンチャー企業から大企業にはいく人は少ないですね。大企業はいわば、従業員が小さな「ギア」で組織の全体感はわからないです。例えば、隣の部署の人が何をやっているかわかる人は少ないと思います。歯車として仕事をしていると事業をやっている実感は少ないです。


【西垣】話を最初に戻すと、大前提として、「何がやりたいかわからない」のはIさんだけではないです。

おそらく9割以上の人は明確に何がやりたいかわからない、何がやりたいかわからずに人生を終える。

逆に1割未満のやりたいことを見つけられてそれをずっとやっている人はすごい人ですよね、アスリートやアーティストにそういう人多いかと思いますが。

だいたいの人はやりたいことがわからない。やりたいことを見つけるような教育をされていないし、それが就職活動になると、いきなり「やりたいことを見つけろ」となります。

ジェネラリストとスペシャリストという切り口があったとしたら、さっきのIさんのお話を伺うと、なんとなくジョブ型で採用しているスペシャリストが良いんじゃないかと考えられているということですよね。

同じ切り口で、ニーズの観点で話を発散させててみると、企業に雇われて仕事をする人は大きくジェネラリストとスペシャリストで、日本企業の多くはジェネラリストですよね、総合職とかそんな呼び名でポジションが明確に定義されていない。これはスキルも身に付きにくい。ジェネラリストと言えば聞こえは良いですが、多くの日本企業では「会社の中のジェネラリスト」が生まれていると感じます。


一つの会社の中の業務をなんとなく広く薄く経験しているが、別の会社、業界には応用できないというような、一つの会社の中でのスキルは身に付きますが、世間一般で通用するスキルは身につかない。となると、労働市場でのニーズも低い。

ジェネラリストと呼ばれる職種でもコンサルタントのような人達は労働市場でニーズが高いですけどね。課題解決のスペシャリスト、専門家であるという見方もできるでしょうが。

逆に、スペシャリストではどうかというと、まさにさきほどおっしゃられたUXデザイナーや他にもAIエンジニア、データサイエンティストなどホットは職種はニーズが高いですが、逆にニッチな技術・スキルや古い技術・スキルはニーズが低いということですね。


【Iさん】おっしゃる通りで、やりたいことが明確に決まってない中で専門職で就職をしてもそれが向いてない、やりたくなかったことだったらダメだとは思います。


一方で、総合職みたいな形で入社して何年かおきにジョブローテーションをして会社に染まっていくのも怖いと考えています。


実際に企業にずっととどまって40歳とかになった人達ってどんな感じなんでしょうか?

会社説明会に行っても良いことしか聞かないですし、ジョブローテーションを繰り返した結果どういう人になるんだろう、と疑問に思います。


【西垣】日本においてはマジョリティの人達ですよね。40歳くらいまで一つの企業にずっといて、これといったスキルも見つけないでいると転職もできなくなってくるんで、その後はずっとその企業にしがみつくという発想にどうしてもなりますよね。

悪いとは言わないです。大企業の社会的意義として、たくさんの人を雇用して生活を守るということもあると思いますし、働いている方も家族を養うために働いているわけですごく立派だと思います。


そうなってくると、仕事で結果を出すというよりも趣味や家庭に生きがいを見出すようになってくるということです。

一方で、真逆の人達、私とか西本みたいな人達がいて、社会にインパクトを与えたいとか、会社にしがみつかずに自分で食っていきたいとかそういうマインドセットですね。


【西本】ベンチャーだと今日やろうと思ったことが今日できる。

今、シェアサイクルの事業をやっているんですが、我々は人の生活圏を広げるサービスを提供したいと思っていて、日々エンドユーザーの反応を見ながら事業ができます。

今の会社はフラットな組織ですが、私の部下にあたる人に「自分の成長になることをやってみて」と言っていて、実際にやってもらっています。KPIだけ相談してきめます。

なので自身でやりたいことをやってもらう、そういう形です。


【Iさん】大企業だとやり方だったり報告の方法などは決まっているんですかね?


【西本】例えば、レポートの形式が決まっていたり、朝会みたいな形で報告したり、といったことが大企業では行われています。最たる例でいえば、キーエンスなんかは営業のプロセスをすべて可視化するような形で決まったプロセスで営業を行って日々やっています。

大企業は定型化された業務を回すというような形が多いと思いますが、スタートアップではそこの自由度は非常に高いと思います。


【Iさん】ファーストキャリアは非常に悩みますね。スタートアップだといちいち教えてくれないので、それでもやりたいことがあるのであれば飛び込んでもいいとは思うのですが…


【西本】大企業に最初入って3年で辞めるとかそういう形もアリだと思いますよ。本当に自身のやりたいことができるベンチャーがあるのであればいいと思いますが。


【Iさん】西本さんは将来的にやめようと思って最初に大企業に入ったのですか?


【西本】最初は3年くらいいてやめようと思っていました。毎日考えてたんですけど、3年経って今日が人生最後の日だったらこの仕事を続けるかどうか考えて、その気持ちが変わらなかったら辞めようと思っていました。


【西垣】結局、答えは自分の中にあると思っているんです。

結局は、人生は人それぞれの価値観じゃないですか。仕事を突き詰めると自身で事業を創って起業に近い形になるのかもしれないですし、逆に生活重視を突き詰めていくと安定した大企業で働くほうが幸せですよね。


そのあたりIさんの価値観ていかがですかね。仕事に人生ささげたいのか、或いはそこそこの給料をもらって普通の生活がしたいのか、新しい知識を得るのが好きなのか、とか。


【Iさん】新しいことはいろいろ知りたいですし、機会があったらいろいろ経験したいと思いますし、よく言えば好奇心旺盛なんですけど、大企業に入ってしまうと私の性格上、やり方がおかしいと思ってもそれを言えない性格なので合わなかったら怖いなというのがあります。


【西垣】お話を伺っていると、典型的なトラディショナルな大企業は少し合わなそうな気がしますし、ご自身でもなんとなくそこはわかってらっしゃる。ただし、大企業の中にもいろいろとやらせてくれるところはあると思いますよ。例えば、GAFAとかメガベンチャーとか、自身で提案していろいろやらせてくれるような会社もありますので、そういったところを見てみるといいかもしれません。


【西本】サイバーエージェントとかリクルートとかソフトバンクとかもそうですかね。

まあ、いろいろお話させていただきましたけど、西垣が言ったように、自分の人生なので結局は答えは自分の中にあるものだと思うので、ご自身の判断軸で最終的には決めることです。


ただ、今お話しさせていただいているのは、私や西垣の「視点」、「観点」でものを言わせていただいているので、ご自身の視点、観点に合わせて参考にしていただければと思います。


【西垣】今日のキーワードは「答えは自分の中にある」ということですかね。

自身のやりたいこととか興味のあることとかを明確にしていけば本当に答えが出てくると思うんです。もちろん、他の人から意見をもらうのは参考にはなると思います。しかし、最終的に決定をするのはご自身です。

なので、ご自身の価値観を大切にしていただいて今後キャリアを築いて頂きたいと思います。


【Iさん】いろんなご経験をされて、働かれている方のリアルな声をきかせていただいたので大変参考になりました。本日はありがとうございました。





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西垣和紀


高校中退後、数年間仕事を転々とした後、渡米。アメリカの大学を卒業後、外資系コンサルティングファームに入社し、大企業の戦略策定、M&A、業務改善、新規事業創出などに従事

その後、オックスフォード大学MBAを経て、ロンドンのスタートアップで事業責任者、外資系企業のCOO(最高執行責任者)などを歴任し、現在はヨーロッパと日本を行き来しながら様々なビジネスの立ち上げや企業のアドバイザーとして活躍

また、音楽活動をしており、アメリカ西海岸のレーベルと契約、海外フェスへの出演やイギリスのトップアーティスト「ピクシー・ロット」などと共演

著書「オックスフォード大学MBAが教える人生を変える勉強法」など

カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)マネジメントサイエンス専攻 オックスフォード大学サイードビジネススクールMBA(経営管理学修士) ペンシルバニア大学大学院コンピューターサイエンス専攻

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西本 統

新卒で大手マーケティングリサーチ会社に入社、その後コンサルタントとして大企業のデジタル化支援等を行った後、シェアサイクル事業を行うスタートアップで社長室長、関西事業統括などを歴任

学生時代には、全米最大級の日本人キャリア団体「Pageone」を創設するなど、起業家精神に満ち溢れている

カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)経済学専攻

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