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  • 執筆者の写真Joe

【アメリカ vs イギリス】消費税0%で暮らせる米ポートランド。パブで仕事仲間が見つかる英ロンドン。

更新日:2020年5月2日


高校中退後、日雇い派遣や路上スカウト、夜の仕事などをしながら荒んだ生活を送っていた西垣和紀(にしがき・かずき)氏。しかし彼は、一念発起して海外大学へ留学することを決意します。カリフォルニア大学サンディエゴ校への進学、グローバルコンサルティングファームでの勤務を経て、最終的にオックスフォード大学の経営大学院でMBAを取得(※西垣氏の数奇なライフストーリーについては『高校中退の不良がなぜオックスフォード大学MBAを取得できたのか?』参照)。現在はロンドンの現地企業で働いています。


そんな西垣氏は、アメリカの西海外(シアトル、ロサンゼルス、サンディエゴ)およびイギリス(オックスフォード、ロンドン)でのこれまでの居住経験を振り返り、両方とも「住むのに非常に魅力的な国・地域」であると述べています。


今回は、海外在住経験が豊富で現地の情報に明るい西垣氏に、“リベラルでクリエイティブな雰囲気が溢れるアメリカの西海岸” および “伝統と洋式美が残るイギリス” それぞれについて、街並みの特徴や現地の人の雰囲気などについてご紹介いただきます。今後、欧米への留学を検討されている方は、きっと参考になることでしょう。



 

アメリカ西海岸はオープンな雰囲気。観光にも居住にも適している。

 

アメリカは都市によって街並みや雰囲気が全く異なりますが、西海岸で大きな都市としては、シアトル、ポートランド、ロサンゼルス、サンフランシスコ、サンディエゴなどが挙げられます。西海岸の都市に共通して言えるのは、アメリカのなかでもリベラルで移民が多いこと。オープンでゆったりとしており、観光にも居住にも適した環境だと言えます


ワシントン州にあるシアトルは、人口が72万人程度(アメリカでは18番目に多い)の都市です。1年を通して雨がよく降るのが難点ですが、統一感ある街並みは非常にきれいです。高層ビルも立ち並び、グレーを基調としたシックな建物が多いのが特徴として挙げられます。スターバックス1号店があることで有名ですが、じつはほかにも、ボーイング、アマゾン、マイクロソフトなど多くの有名企業がシアトル発祥です


オレゴン州にあるポートランドは、人口64万人程度(アメリカで26番目)の都市です。「Keep Portland Weird(ポートランド、ずっと変わり者のままでいよう)」というスローガンが街の至るところで掲げられ、サブカルチャーやアートの発信地としても知られています。また、治安も非常に良く、2013年の全米ベストシティランキングで1位を獲得しているほか、消費税が0%であるなど、暮らしやすい街としても有名です。こういった街の特徴から、クリエイターや若者を誘致して街を活性化させた成功例として知られています。



カリフォルニア州には、ニューヨークに次いで2番目に人口が多い(※約400万人)ロサンゼルスをはじめ、サンフランシスコ、サンディエゴなど有名な都市が複数存在しています。


サンフランシスコは、ゴールデンゲートブリッジやアルカトラズ島など、よく映画やドラマの舞台にもなっている有名な観光スポットがいくつかあります。また、Google、Apple、Facebookなど有名なIT企業が数多く創業されたシリコンバレーが位置しており、IT産業が非常に盛んです。ロサンゼルスは、映画で有名なハリウッドで知られているとおり、エンタメ産業が盛んです。周辺には、サンタモニカ、ベニス、マリブなど有名なビーチが数多くあり、美しい海岸線も見どころのひとつです。


そしてサンディエゴはサーフシティとして知られ、サーフィンをするために国内外から多くの人が訪れます。私の友人でも、サーフィンがしたいという理由でサンディエゴに留学してきた人がいたぐらいです。




 

音楽やスポーツでも盛り上がる

 

個人的には、多種多様な音楽やスポーツ、ワイン・クラフトビール等のお酒などが西海岸で楽しめると思っています


さまざまな人種が入り混じっているからか、音楽は非常に多様で、ファンク、ハードロック、エレクトロ、ウェストサイドヒップホップ、ミクスチャーなどが西海岸で流行し発展しました。西海岸のなかでもカリフォルニアの音楽シーンは特に多様で、カウンターカルチャー系の音楽から、エレクトロ、ジャズに至るまで幅広いジャンルにおいてシーンが成立しています。カリフォルニア以外でも、例えばシアトル近郊ではニルヴァーナをはじめとするグランジロックが生まれ、数々のオルタナティブロックバンドが誕生しています。


スポーツは西海岸に限らず、アメリカではバスケットボール(NBA)、野球(MLB)、アイスホッケー(NHL)、アメリカンフットボール(NFL)などが人気です。特にロサンゼルスでは、バスケットボールだとレイカーズ、野球だとドジャースなど、強いスポーツチームが多いので、スポーツファンにとっては非常に楽しめるでしょう。また、カレッジフットボールの強豪校であるUCLAとUSCの2チームがLAにあるため、シーズン期間は非常に盛り上がります。


そして、西海岸でワインと言えばカリフォルニアワインが有名です。ナパバレーのワイナリーを巡るツアーなども多数あり、日本人の間でも有名ですね。でも実は、ワシントン州、オレゴン州でもワインは生産されています。アメリカのワイン生産量はカリフォルニアワインがダントツで多いので、その他の生産地はマイナーなのですが、じつはワシントン州は、カリフォルニア州に次ぐ全米2位のワイン生産地です


ワシントン州のワラワラという地域は、フランスのボルドーやブルゴーニュとほぼ同じ緯度なので、ブドウ栽培に適しているそうです。オレゴン州のワイン生産地もブルゴーニュとだいたい同じ緯度に位置しており、特にピノ・ノワールの生産で有名です。


また、カリフォルニアはワインだけではなくクラフトビールも有名で、州の各地にブルワリーが存在しています。ストーンブリューイングカンパニーというブルワリーが南カリフォルニアのクラフトビールブームの火付け役と言われており、ドライなテイストのIPAが美味しいです。カール ストラウスというブルワリーもストーンブリューイングと肩を並べて有名で、エール、ラガー、アンバー、スタウトなど、多種多様のクラフトビールが楽しめます。



 

アメリカ西海岸の大学にはアジア系の学生も多く集まる

 

アメリカは移民の国ですが、世界各国から移民が集まってきているというよりは、南米などヒスパニック系の移民が圧倒的に多いです。カリフォルニアは特に顕著で、2017年の国勢調査によると、白人(37%)よりもヒスパニック系の人種(39%)のほうが、割合としては多くなっています。アジア人も14%程度とかなり多くなっています。


西海岸のカリフォルニア大学やスタンフォード大学などは、アジア系の学生が非常にたくさんいます。私が通ったカリフォルニア大学サンディエゴ校は、半分くらいがアジア人です。カリフォルニアは、移民やアジア人に対してフレンドリーな雰囲気だと言えるでしょう


 

イギリスは “統一感ある街並み” が美しい

 

日本とは異なり、イギリスは統一感のある街並みで、街を歩いているだけで見入ってしまいます


イギリスの建物は、都市部では伝統的な建造物と近代的でハイテクな建造物が立ち並び、景観がうまくマッチしているように見えます。近代のイギリス建築は、対称的な建物や重厚感のある柱が特徴的な18世紀のジョージアン様式や、ゴシック・バロックなど過去の様式をモチーフとしたヴィクトリア様式(ゴシックリバイバル)などがあり、当時のままの形で残っているケースも少なくありません。


イギリスは住宅もあまり建て替えをしませんので、昔ながらの街並みが残っている一方、都市部では新しい商業施設も存在する変わった街並みになっています。



 

ロンドンはミュージカルやスポーツも充実している

 

ロンドンでは、ミュージカルやスポーツ観戦、クラブ遊びなど、いろいろな楽しみ方ができます


ロンドンのウエストエンドというエリアはニューヨークのブロードウェイのような場所で、たくさんの劇場が立ち並んでいます。「レ・ミゼラブル」「オペラ座の怪人」など、ロンドンが初演で有名になった演目も存在するので、ニューヨークのブロードウェイと並んで、クオリティの高いミュージカルが楽しめます。


スポーツは、イギリスではサッカーが特に人気です。イングランドのプレミアリーグは世界的に人気がありますし、日本でも有名なサッカークラブがたくさん存在するのでサッカー好きにはたまりません。ラグビーもサッカーと同様、非常に人気があり、欧州6か国が参加する国際ラグビー大会「シックス・ネイションズ」やイングランドの「プレミアシップラグビー」といったリーグが存在します。


ロンドンのミュージックシーンは、流行りの曲やEDMを流しているクラブがたくさんある一方で、テクノ、インダストリアルなど比較的コアなジャンルに特化したクラブもあり、非常に刺激的です。ロンドン北西部のカムデン・タウンという地域は、街全体がロックな感じでライブハウスやクラブがたくさんあり、個人的に大好きなエリアです


イギリス国内だけでなく、周辺のヨーロッパ諸国への旅行が、LLCなどを利用すれば安価で行けますので、周辺国への旅行も簡単にできます。また、陸路も発達しており、例えばユーロスターという高速鉄道に乗れば、ロンドンからパリまで陸路で2時間半程度で行けます。ヨーロッパは観光資源が豊富で、週末にいろいろな国に海外旅行に行けるのが良いところですね。



 

現地の人

 

イギリスに来て感じたのは、特にロンドンなどの都市では移民の人たちが多く、多様な人種の人がいるので、外国人に対してフレンドリーな雰囲気があるということ。ヨーロッパ系の白人がマジョリティですが、ヨーロッパ各国だけではなく、インドやアフリカからの移民も多く、ロンドンの都市部では4割以上の住民が外国出身です。したがって、飲食店やヘアサロンなどに行くと店員も客も全員外国人でイギリス人がひとりもいない、なんて状況も珍しくありません。日本のようなモノカルチャーではなく、本当に多種多様な文化が存在するため、それぞれの人種やコミュニティでクローズドな面もありますが、基本的には外国人に対してフレンドリーな雰囲気だと思います。


また、イギリス人は本当にお酒を飲むのが好きで、昼間や夕方からパブで飲みだします。バーやパブなどで知らない人と話して友人になるのは割と普通で、パブやバーなどでの出会いが仕事につながることもあります。実際に私の会社でも、パブで知り合った人と仕事をする機会がありました。


今回はアメリカ西海岸とイギリスでの生活についてご紹介しましたが、ここに書いたことはほんの一部分に過ぎません。実際に現地に行くと、もっと多くの楽しみや発見があるかと思います。留学はもちろん、観光でもぜひ一度訪れてみることをおすすめします。





【著書紹介】 高校中退後、日雇い派遣、路上スカウト、夜の仕事などを転々とし荒んだ生活を送るが、ふとしたことがきっかけで人生が一変。中学生以下のレベルの英語力から海外留学を果たす。カリフォルニア大学での「知」の授業、オックスフォード大学のリーダーシップ教育から学んだ戦略的思考法のフレームワークを明かす――





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